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平塚の歯医者、なかとがわ歯科医院のブログページです。入れ歯と聞いても実際にお使いいただいていない方は、なかなかイメージがしづらいと思います。部分入れ歯は残っている歯にひっかけて使うのですが、総入れ歯はどうやってくっつくかご存知でしょうか。今回は総入れ歯の仕組みについてです。
総入れ歯がどうして落ちないか
総入れ歯は、歯ぐきに“吸着”することで、安定して装着することができます。イメージとしては、お風呂でよく使う吸盤のイメージです。歯ぐきの土手の部分と上あごの部分にピッタリと合うように入れ歯を作ることで、“吸着”が起こり、落ちない入れ歯が出来ます。
吸着のしくみは、以下の2つの力によって生じています。
- 毛細管現象
毛細管現象とは、細い管の中を液体が上昇する現象です。総入れ歯の床面は、細かい凹凸によって構成されています。これらの凹凸によって、唾液が毛細管現象によって吸い込まれ、入れ歯と歯ぐきの隙間を埋めます。
- 静水圧
静水圧とは、液体の表面張力によって生じる圧力です。総入れ歯を装着すると、入れ歯と歯ぐきの隙間に唾液が入り込み、静水圧によって入れ歯が歯ぐきに押し付けられます。
これらの2つの力によって、総入れ歯は歯ぐきにしっかりと吸着し、安定して装着することができます。
落ちてしまう入れ歯の原因
総入れ歯の吸着が悪いと、入れ歯がずれたり、外れたりすることがあります。吸着が悪い原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 入れ歯の形が合わないこと
- 作ったときより歯ぐきが瘠せてしまうこと
- 嚙み合わせが合わないこと
入れ歯が落ちる場合は、歯医者さんに相談しましょう。入れ歯の調整や作り直しなどによって、吸着を良くすることができます。
自力で吸着を良くする方法
入れ歯安定剤を使うと、吸着が良くなる場合があります。吸着の力は歯ぐきの面積に依存するので、痩せてしまって吸着の力が弱い場合などの場合、安定剤の使用をお勧めします。
安定剤を使う際は、多めに使用するのではなく、米粒大で薄く伸びてくれるような使い方がお勧めです。あまり多く使用すると、安定剤で入れ歯が浮いてしまい、吸着の力が弱くなる場合があります。注意してください。
入れ歯の吸着を悪くしないために
入れ歯の吸着を悪くしないために以下のことに気を付けてください。
- 定期的にメンテナンスを受ける
定期的にメンテナンスを受けることによって、入れ歯の微調整ができるため吸着の力の低下にも対応できます。
- 入れ歯を正しく装着する
入れ歯は乾いた状態だとうまく吸着しません。軽く水で濡らして装着するようにしましょう。
- 噛み方を気を付ける
総入れ歯は物理的な性質上、片側で硬いものを噛むと片側が浮いて外れてしまいます。なるべく両側で噛むように気をつけましょう。
まとめ
総入れ歯は、歯ぐきの形と合わせて作ることで、吸着の力を使いくっつきます。
総入れ歯の吸着が悪いと、入れ歯の使用が不快になるだけでなく、口腔内の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。吸着が悪い場合は早めの歯科医院の受診をしましょう。